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イヴニングウェアの代表格タキシードを紹介します。
本来、夜の正礼装(最も格式の高い礼装)はテールコート、すなわち燕尾服です。 ですが、今日では燕尾服を着用する機会はほとんどありません。 人生で一回でも着る機会がある人のほうが少ないでしょう。 洋服の歴史は、簡略化の歴史でもありますのでこの流れは必然です。 そんな背景が、本来は準礼装であったタキシードをイヴニングウェアの代表格に 昇格させたわけです。 先日行われたアカデミー賞の授賞式でもタキシード姿の男優が多かったのは 記憶に新しいところです。 カジュアル感の強いタキシードを着用していた人も少なくなかったですけれど。 海外のパーティなどで招待状に「ブラックタイ着用」と明記されていたら、それは タキシードの着用を意味しています。 ちなみに「ホワイトタイ着用」との明記は、テールコートの着用を意味しています。 言うまでもなく、フォーマルウェアの装いにはルールがつきまといます。 ただ、あまりルールに縛られすぎるのもどうかと思います。 基本をしっかり踏まえた上での遊び心を入れた着こなしこそスマートなのでは ないでしょうか。 タキシードのデザインは、シングルブレステッドならば1ボタンのピークトラペルか ショールカラー、ダブルブレステッドならば6ボタンの2つ掛けが基本です。 アカデミー賞で、シングルブレステッド2ボタンのノッチドラペルを着用していた 監督がいましたが、これはかなりカジュアルっぽい印象になります。 また、タキシードの大きな特徴として、シルクサテンを部分的に使用することが 挙げられます。ラペル(拝絹)、包みボタン、ボトムのサイドシーム(側章)などに 使用します。 そして、バックスタイルはノーベント、ポケットのフラップは付けない、ボトムの 裾口はシングルなど、ディテイル面の決まりもあります。 ベントやフラップ、裾口の折り返しは基本的にスポーティなディテイルなので フォーマルウェアには取り入れないのです。 ジャズピアニストのオスカーピーターソンは、サイドベンツかつフラップ付きの タキシードをライヴで着用していましたが・・・ セレブはあまり小さなことを気にしないのでょうか? 着こなしにもいろいろな決まりがあります。 「ブラックタイ」と言うだけあって、タイは黒のバタフライ(蝶タイ)か結び下げの タイ(普通のタイ)をします。 シングルブレステッドの場合は、ヴェストあるいはカマーバンドの着用が必須に なります。これもカラーは黒です。 シャツの衿はウィングカラーかレギュラーカラーが基本です。胸のプリーツは ないものでも構いません。カフはダブルカフスです。カラーはもちろん白です。 フロントがフライフロントでない場合は、スタッズボタンを付けます。 カフリンクス、スタッズボタンはブラックのオニキスが基本です。 シューズはオペラパンプスが基本ですが、内羽根式のストレートチップや プレーントゥなどドレッシーなレースアップシューズなら構いません。 ブラックのロングホーズを穿き、チーフを挿したら装い完成です。 遊びを入れるなら、ライニングやシャツの素材などでさりげなく入れるのが、 スマートなやり方です。 フォーマルウェアであまりに奇をてらうのは考えものですからね。 素材は、ブラックかミッドナイトブルーが基本なのですが、画像のようなグレイも とてもスタイリッシュです。 公式サイトのCOLLECTIONページにこのタキシードの詳細がありますので ぜひこちらもご覧下さい。 既製品ではまずありえないスタイリッシュなグレイのタキシード。 皆が同じ様に見えがちなフォーマルシーンでこそ、個性を発揮したいものです。 機会があればぜひお作り下さい! A WORKROOM公式website
by workroom
| 2007-04-18 17:14
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